お盆を迎えるにあたって、下の図のように盆供養の棚を作ります。「精霊棚」または「盆棚」といいます。
 まず、座卓等机を用意し布またはゴザをその上に敷きます。四方に笹竹を立て麻ひもを張ります。笹竹は2本でも可。笹竹を四方に立てるは結界をつくること、棚の手前に2本立てるは門をつくることになります。笹竹に張った麻ひもに五如来幡を提げます。ほうずきやソウメンも提げても良いでしょう。
 マコモの敷物を敷き、浄水、水の子、馬牛、野菜果物、乾物、お菓子を供え、花とローソク、線香立てを置きます。そして仏壇の位牌(先祖の位牌、戒名位牌)を棚の奥に祀り、お茶と蜜湯(砂糖湯)を供えます。
 図には載せてありませんが灯ろうや盆提灯の準備もします。さらに玄関の外側や敷地の門に砂や土の「盆塚」をつくって馬牛と水の子を供え、迎えと送りの場とします。これで準備が整ったことになります。

●水の子:茄子胡瓜などをさいの目に切り洗米を混ぜて蓮の葉に盛ります(蓮の葉の代用に里芋の葉でも良い)。葉の下に受け皿が必要です。さらに盆棚の下と外の盆塚にも水の子を供えます。さいの目に切り洗米を混ぜることは無限の食物を供える意味です。
●浄水:蓮の葉(または里芋の葉)に水を入れてミゾハギを添えて供えます。葉の下に受け皿が必要です。盆棚でお参りするときはミゾハギで浄水を水の子に掛けて水気を補います。
●馬 牛:胡瓜、茄子にオガラや割り箸で足をつけます。藁でつくられた馬牛でも可。ご先祖さまを早馬でお迎えし、牛の背に乗りゆっくり帰って頂く意味があります。
●まこも:水辺に生える真菰(まこも)でつくられた敷物。浄水、みぞはぎと共に岸辺を表しています。これは三途の川のこちら岸の水辺でご先祖や有縁無縁の霊を迎える意味だと思います。

●五如来幡:5人の如来さまを祀り、現世にお帰りになられた先祖や有縁無縁の霊が、如来様のご利益により安心して供養を受け飢えと渇きを癒して身も心も仏様の姿になられるよう祈りましょう。青,黄,赤,白,黒の五色の幡に如来様のお名前が記されています。(青=緑 黒=紫)


「精霊棚」「盆棚」の一例

●迎え火と送り火:準備が整ってからお墓にお参りして先祖にお迎えを告げ、先祖と一緒の気持ちで帰宅し、盆塚にて迎え火を焚きます。13日の夕方が一般的ですが「お盆は早く迎えてゆっくり送れ」と云い、12日でも11日の迎えでも良いと思います。住職がお棚経に伺う前にお迎えしておくべきです。新盆のときは早めに迎えましょう。
16日(または15日)の夕方に盆塚で送り火を焚きお別れを告げ墓地まで送ります。大文字焼きや花火は壮大な送り火です。また、精霊流しで送ることは現在では環境への配慮から行うことが難しくなっています。新盆のちょうちんは8月23日の夕方に東前寺地蔵盆の行事に参加し納めます。

●位牌について:お仏壇の中は彼岸の世界を表しています。お盆には彼岸の世界からお戻りになられるので、位牌を仏壇から供養の棚に移して祀りましょう。

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