か ん た ん

精進料理5

●材料:ナガイモまたはヤマトイモ、昆布出汁、塩、しょうゆ、酒

●とろろを作る。まず昆布出汁に酒少々と塩、しょうゆを加え味付けをし、火を止め冷ます(とろろいもをのばし味付けするためのものなので濃いめにする)。
次に、薄く皮をむいたナガイモをすりこぎのようにあたり鉢に擦りつけて擂りおろす。さらに本物のすりこぎを使ってきめが細かくなるようによく擂る。冷ました味付昆布出汁を少しづつ加え、とろろをのばし味付けする。

●ムギ飯に掛けて食べたいところをグッとこらえて、茶碗蒸しの器に注ぎ、蒸気の上がった蒸し器に入れて茶碗蒸しの要領で蒸す。簡単できあがり。
ただし、玉子の茶碗蒸しとは出来栄えと食感が違います。とろっとして若干のつぶつぶ感があり「いにしえの香り」が口の中に広がります。この不思議な味わいによって、もしかしたら天平や中世の高貴な方も召し上がったのかもしれないなどと、私は想いを馳せています。とろろ芋歴史ロマン「いにしえの香り」です。

とろろいもの茶碗蒸し

 晩秋、とろろ芋の季節到来。とろろ、煮物、酢の物をはじめ食べ方いろいろ、また、つなぎとして饅頭、そば、がんもどき、はんぺん等々和食の食材にはなくてはならない存在、山の幸の王様的とろろ芋。種類はヤマノイモ、ナガイモ、ヤマトイモ、ツクネイモ等があります。
 日常スーパーで手に入れやすいナガイモまたはヤマトイモを使ってちょっと風変わりな料理を紹介しましょう。「とろろいもの茶碗蒸し」です。先日、静岡県袋井市にあるとろろ料理の専門店でごちそうになったおり、店の女将に聞いてみたところ知らないとのことでした。ということは私が発見、発明した?と言えるかもしれません(とろろ芋の長い歴史の中、そんなことはない)。
 味のほうは、好みの分かれるところ。奥ゆかしい味わいがあると思いますので、一度試してみてはいかがでしょうか。(17.10.16)

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